仏さまとハス その5(法人事務局・法話)
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ハスは恐竜時代に誕生したと言われています。植物は種を作るためには、花粉をほかの花に運ばなければなりません。昔の植物は、風で花粉を運んでいました。しかし、風でと飛ばすのでは、花粉がどこへ飛んでいくかわかりません。そのため、植物はたくさんの花粉を作らなければならなかったのです。ところが、恐竜時代になると、昆虫が花粉を運ぶ花が進化しました。昆虫は花から花へと花粉を運んでくれるので、たくさんの花粉をつけなくてもよくなったのです。そして、今でも植物と昆虫とは、助け合いながら暮らしています。このように生き物どうしが助け合うことを「共生」といいます。
しかし、考えてみればすごいことです。花にやってきた昆虫は、もともとは花粉をエサにするためにやってきた害虫でした。その害虫にエサを食べさせて、その代わりに花粉を運んでもらうようになったのです。そして、植物は、やがてはやってくる昆虫たちのために甘い蜜まで用意しました。害虫を防いだり、害虫から身を守ることも大切です。しかし、嫌がるばかりではなく、害虫のためになることをしてあげることで、植物は敵と助け合う方法を作り出しました。植物の進化というものは、本当に不思議です。
つづく 常任理事 細井