香川県地域生活定着支援センター
このコーナー初登場の「香川県地域生活定着支援センター」、通称「定着センター」です。今後ともよろしくお願いします。定着センターは、刑務所等を出所する高齢者や障害者のなかで、出所後、帰る家もなく引き受ける人もいないため自立した生活を送ることが難しい方を必要な福祉の支援につなぎ、その後のフォローを行うセンターです。
さて、定着センターでは数年前、1月2日に刑務所を出所される方を支援させていただいたことがありました。80歳を超え肺の病気ももつその方は、日常の生活(食事、更衣、移動、排泄など)も自力では送りかねる状態でありながら帰る家もなく、面倒を見てもらえる親族などもいなかったことから、定着センターへ出所に際しての支援の依頼が届いたのでした。聴力、理解力や判断力にも難しさがみられたその方は、刑務所での出所後の生活に向けての面接のときも、何も決まっていないのに二言目には「もうええですわ、有難う。」と面接を終えようとされるなど、なかなか話が進みませんでした。
幸いにもその方のふるさとの福祉、行政の関係機関の皆さまのご協力を経て、ご本人のことを心配していたご親族に出会い、本人への面会で福祉の支援を受けるようお話しいただき、「出所する方を受け入れることは初めてですが、それも施設の大事な役割ですから。」と受け入れてくださる高齢者の入所施設への入所がかなうことになりました。1月2日の朝、車でその方を刑務所からその施設へお送りさせていただき、私たちもほっと一安心となりました。その方は今もその施設でお元気でお過ごしで、おうかがいすると笑顔でご挨拶してくださいます。年末が近づくこのごろ、その方のことを思い出します。
*定着センターの業務の詳細はこちらでご確認できます。(厚生労働省ホームページ)